行動経済学
第10回大会プロシーディングス
処方箋のデフォルト変更のジェネリック医薬品選択行動に与える影響:行動経済学からの検討
高橋 義明
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9 巻 (2016) p. 95-98

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抄録

高齢化等とともに日本の国民医療費は増加を続けている(2013年40兆円).うち薬剤費が医療費の22%を占めており,政府は医療費節減の柱としてジェネリック医薬品(GE)のシェアをなるべく早い時期に80%以上とする目標を掲げた.目標達成のために品質等に関する信頼性向上,情報提供の充実などを進めるが,目標は達成できるのであろうか.本研究では全国25~44歳の男女に対して行った経済実験(n=4,589)から,処方箋のデフォルトを新薬またはGEにした場合のそれぞれのGEの選択率を算出した.また,情報提供の方策として差額通知があるが,差額を通知した場合に選択率に有意な差が生まれるかを検証した.その結果,処方箋のデフォルトをGEとした場合(GEの原則化)は政府目標を達成できることが明らかになった.GEの原則化には予算措置等の追加費用がほとんどかからず,2兆円前後の削減効果が見込まれ,費用対効果も大きい.一方,差額通知は差額が大きい場合にはGEシェア引き上げ効果があるが,GEの原則化をしない場合には政府目標に届かないことが予想された.今後は一人当たり医療費が多い高齢者を対象とした研究などが必要である.

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© 2017 行動経済学会
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