日本気管食道科学会会報
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症例報告
術後25年で切除した甲状腺乳頭癌の1例
川上 理郎伊藤 加奈子吉村 勝弘田中 斉
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2004 年 55 巻 3 号 p. 276-282

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抄録

初回手術後25年を経て再手術を行った甲状腺乳頭癌症例を経験したので報告した。患者は56歳女性で,約3年前から左頸部腫瘤に気付くも放置していた。平成15年3月18日大阪府済生会吹田病院耳鼻咽喉科を受診,左側頸部に直径15 cm以上の巨大な易出血性の腫瘤を認めた。既往歴として約25年前に甲状腺癌で甲状腺亜全摘と左保存的頸部郭清術を受けていた。左頸部腫瘤は皮膚を一部付けて一塊として摘出できた。摘出した頸部腫瘤の重量は900 gであった。本例のように甲状腺乳頭癌は長期間経過したのち再発することがあり,注意深い長期の経過観察が必要である。

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