日本気管食道科学会会報
Online ISSN : 1880-6848
Print ISSN : 0029-0645
ISSN-L : 0029-0645
特集:気管食道科領域と咳嗽
耳鼻咽喉科領域と咳嗽
内藤 健晴
著者情報
ジャーナル 認証あり

2004 年 55 巻 5 号 p. 387-392

詳細
抄録

肺に明確な病変がない持続性咳嗽の病態が複雑であることはわれわれ臨床家を大変に悩ませている。最も一般的な原因は慢性気管支炎,喘息,後鼻漏,咳喘息,アトピー咳嗽,喉頭アレルギー,胃食道逆流症があげられるが,経過,所見,検査の結果で的確な診断治療に結び着けなければならない。耳鼻咽喉科領域の持続咳嗽の原因は後鼻漏,喉頭アレルギー,胃食道逆流症,気管支異物であり,その詳細を本稿に示した。慢性咳嗽患者を診察するにあたり,最も注意しなければならないことは,耳鼻咽喉科領域では喉頭癌,副鼻腔癌,副鼻腔真菌症など,呼吸器内科領域では肺癌,気管支結核などの重要疾患を見逃さないことである。

著者関連情報
© 2004 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top