日本気管食道科学会会報
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原著
Voice prosthesisによる喉頭摘出後の音声リハビリテーション
—長期経過と合併症の検討—
那須 隆小池 修治野田 大介尾上 義浩青柳 優
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ジャーナル 認証あり

2009 年 60 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

1998年4月から2007年3月までの10年間に当科で喉頭全摘後の音声再建術にindwelling type prosthesisを使用し,6カ月以上経過を確認できた症例30例を対象に,使用voice prosthesisの変遷,voice prosthesisの平均交換間隔,合併症の種類・出現頻度,voice prosthesis使用の転帰について検討した。
Voice prosthesisの平均交換間隔は5.4カ月であった。合併症は18例(60.0%)と高い頻度で発生した。Voice prosthesisの脱落,シャント孔周囲の肉芽増生,気管孔狭窄の順に多かった。Voice prosthesisを使用した場合の音声獲得率は90%と高い成績であった一方で,日常生活で会話に使用している症例の割合は66.7%と低い結果であった。合併症や管理上の問題, TEシャントによる音声使用の実態を考えた時,voice prosthesis を用いたTEシャント造設手術の適応と手術時期については十分な吟味が必要である。

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