2009 年 60 巻 6 号 p. 483-488
喉頭乳頭腫はしばしば再発を認め,また稀に悪性変化を来すことから,治療に難渋する疾患の1つとして知られている。喉頭乳頭腫の治療は外科的手術が中心であり,本邦ではCO2レーザーによる焼灼術が主体である。今回われわれは,大阪ボイスセンターにおいて2006年1月から2009年3月の間,喉頭乳頭腫に対してMicrolaryngoscopy下に手術を施行した12症例18件についてPower Assisted Surgeryを施行した症例を検討した。また喉頭乳頭腫の術前診断でPower Assisted Surgeryを施行し,術後の病理組織診断にて悪性所見を認めた症例についての検討も行った。喉頭乳頭腫に対するPower Assisted Surgeryは有用であり,また,悪性の場合においてもPower Assisted Surgeryは十分対応可能であった。