NBI内視鏡など,光学機器の進歩と普及に伴い,中下咽頭領域での表在癌の診断・治療が行われてきている。当科では喉頭直達鏡下・顕微鏡下に中下咽頭粘膜切除術を行っている。顕微鏡下の操作では,精細な観察が可能である一方,視野が限られ,また両手操作により視野が遮られるため,患者の体格や腫瘍の存在部位,大きさにより,適切な喉頭鏡を選択し,十分な視野とワーキングスペースを確保することが不可欠である。今回われわれは,喉頭直達鏡下・顕微鏡下中下咽頭粘膜切除術において,病変部位,病変の大きさと使用した喉頭鏡の種類について検討した。大口径の喉頭直達鏡を使用することで,特に中下咽頭後壁の病変で良好な視野と手術操作性が得られた。