2025 年 76 巻 2 号 p. 35-40
CT,MRI,PET等の医用画像モダリティの中で,超音波は「簡単」「安全」「ポータブル」を特長とした画像診断として紹介されることが多い。しかし,超音波の物理的特徴を活用することで,従来の常識を超えた高空間分解能・高時間分解能のイメージングが可能であることを紹介したい。一般的な臨床超音波診断装置で用いられている周波数は10 MHz前後であり,体内における波長および空間分解能は0.1~0.2 mmである。周波数100 MHz以上の超音波顕微鏡では空間分解能はミクロンオーダーになり,単一細胞のイメージングも可能である。最近では,光音響イメージング装置を開発しており,超音波ドプラ法では検出できないほどの細い血管内の遅い血流も検出できるので,腫瘍組織における血管新生とその治療の評価への応用が可能である。並列ビームフォーミングという超音波送受信の手法を用いることで1秒間に5000フレームの高時間分解能を実現し,心血管内の血流ベクトルが描出可能である。また,連続超音波画像に時空間フィルタリングをかけることで,組織の性質や微小血流を検出し,新たな超音波診断への活用を目指している。