バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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スロープ勾配と車いす昇降介助操作方法が乗車者の姿勢と生理応答に及ぼす影響
能登 裕子村木 里志
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 13 巻 2 号 p. 89-95

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抄録
本研究は、車いすの昇降介助操作において、乗車者への客観的影響を含めたスロープの勾配基準と望ましい昇降操作方法について提案することを目的とし、勾配の大きさと降る向きの違いが昇降介助操作中の乗車者の姿勢および生理応答に及ぼす影響について検討した。7条件の勾配を昇り・降り前向き・降り後ろ向きの3操作にて昇降させ、乗車者の姿勢変化と呼吸数および心拍数を測定した。降りでは1/10勾配を境に姿勢変化が増大したことから、1/10勾配を超える場合は前方への転落防止のため後ろ向きに降ることが望ましいと考える。一方で降る向きによって乗車者の生理応答に違いが認められ、後ろ向きでは勾配の増大に伴い心拍数が減少した。この結果により、後ろ向きに走行する際には乗車者の心理的な不安を軽減するための配慮が必要となることが示唆された。
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© 2011 Biomedical Fuzzy Systems Association
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