バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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衝突衝撃指標(CII)に基づく衝撃のパターン認識
中野 正博松浦 弘幸玉川 雅章行正 徹山中 真久保田 正美
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2011 年 13 巻 2 号 p. 121-128

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抄録

転倒・転落による身体各部の衝撃を定量的に定義するために,衝突衝撃係数(CII)を定義する.CIIの式は,頭部の衝撃を表すHICと全く同様な式となる.CIIの物理的な意味は,「平均加速度の冪と衝撃時間の積」である.衝突衝撃係数(CII)の有効性を検証するために日本自動車研究所で人体を模したダミーロボットを用いた実験を行い,頭部,胸部,腰部の3点の加速度を詳細に測定した.加速度は0.0001秒の時間間隔で測定され,加速度センサーで最大7000m/s2まで測定された.この加速度の時間依存から,幾つかのピークを取り上げ,CIIを計算した.そして,CIIを基に,ピークのパターンが表示され,衝撃の特徴が,ピークパターン図で比較されることが明らかになった.これが本論の最も重要な結論である.さらに,結論として(1)冪の指数によらず,パターンは,ほぼ同じであること.(2)ピークのみがCIIとして計算されること(3)選択された時間間隔は,冪の指数が大きくなるとわずかに狭くなる傾向があるものの,ほぼ一定であることが示された.

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© 2011 Biomedical Fuzzy Systems Association
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