2012 年 14 巻 1 号 p. 53-58
我々はWebアクセシビリティを考慮するために,視認性予測を行ってきた.これまでは,若年者,高齢者および色覚障碍者それぞれの群についての検討であった.しかし,Webアクセシビリティを考慮するためには,視認性予測式を一つにする必要がある.そこで今回は,一つの予測式で視認性を予測するために,色覚モデルの変換を用いて色覚障碍者の視認性予測を試みた.その結果,P型色覚障碍者およびD型色覚障碍者の視認性予測結果と実測値との間に大きな差は確認されなかった.しかし,D型色覚障碍者の視認性予測結果は赤成分を多く含む色で視認性が低く判定される傾向がみられた.以上のことから,本手法を用いて視認性予測を行える可能性が示された.