バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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収益と経済状態を考慮した保全に関する一考察
前田 康成後藤 文太朗升井 洋志桝井 文人鈴木 正清
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 16 巻 2 号 p. 59-63

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抄録

従来から設備保全に関する多くの研究がある.従来研究では未知状態をともなうマルコフ決定過程を用いたモデル化が実施されている.製品の収益も考慮したもとで,ベイズ基準のもとでマルコフ決定過程の期待総利得を最大化する保全計画の算出方法が提案されている従来研究もある.当該従来研究では製品の収益は一定と仮定している.しかし,実際には納品価格は景気動向などの経済状態に依存して変動するものである.そこで,本研究ではマルコフ連鎖に従う経済状態を新たに導入したもとでのマルコフ決定過程の期待総利得のベイズ基準のもとでの最大化を目的とする.最初に統計的決定理論に基づいて,経済状態を考慮したもとでのマルコフ決定過程の期待総利得のベイズ基準のもとでの最大化を定式化する.次に,動的計画法を用いて期待総利得をベイズ基準のもとで最大化する保全計画の算出方法を提案する.提案方法の有効性を確認するための数値計算例を報告する.数値計算結果より,提案方法により算出された保全計画において,経済状態の変化に応じた適切な修理選択が実施できることを確認する.

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© 2014 Biomedical Fuzzy Systems Association
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