バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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ISSN-L : 1345-1537
球面SOMを用いたクラスタ分析
徳高 平蔵藤村 喜久郎大北 正昭
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 8 巻 1 号 p. 29-39

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抄録

本論文では多次元のデータセットを視覚化する新しいクラスタ分析法を提案する.提案法によれば,球面または球面を変形したポリゴン(多面体)上にデータセットを写像し,そこでの距離関係から,デンドログラムとして樹状構造を表現することができる.ベンチマーク・データとして,フィッシャーのアヤメ・データセットとワイン認識データを使用した.結果として,球面の多面体への変形パラメータを1.0にしたときに,多変量解析での群平均法,可変法,重心法でデンドログラムを作成し,クラスタ分類の正解率は97%を示した.通常のデンドログラムの方法と比較した場合,我々が提案する方法では,ポリゴン(多面体)表面上でのデータの位置関係からデンドログラム(樹状図)を評価することができる.つまり,デンドログラムの作成と同時にポリゴン(多面体)表面上で対応するデータを視覚化するとができる.また,この方法により未確認データのクラス分けも可能となる.多次元データを1次元の樹状図(デンドログラム)で整理するのは結論として無理がある.視覚化の究極は3次元で位相関係がなめらかな球で多次元データを表現するのが良い方法であると言える.

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© 2006 Biomedical Fuzzy Systems Association
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