バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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Fuzzy推論により関節旁溝から経産婦がわかるか?
北條 暉幸
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2007 年 9 巻 1 号 p. 111-113

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抄録
従来、形状の分類には精密な計測値にもとづく分析が行われているが、Fuzzy分類による推論に基づいた分析も、実際には可能であろう。本研究では、古人骨の骨盤内面の関節労溝(別名、耳状面前溝とも呼ばれる)を対象にして経産との関係を探らんとするもので、細かい数値の比較については問題にせず、関節労溝として幅約5mm、長さ約10mm、深さ約3-5mmと決め、その出現の検討を行った。関節労溝は経産婦人に存在するとの説があるが、Fuzzy的推論の立場からの分類的本研究においては、男性には存在せず、お産の経験ありと見られる女性に認められ、さらに他のすべての女性群にも存在していた。しかし、前方後円墳熟年女性人骨、並びにゴホーラ貝製腕輪装着の若い女性の両例には、同溝が存在せず、お産の経験がなかったと推論した。この2人は特別な社会階層の女性であったと考えられる。本研究によりFuzzy分類方法は、経産婦判定に役立つことができることがわかった。
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© 2007 Biomedical Fuzzy Systems Association
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