熱傷
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症例
超音波デブリードマン機器を使用してアキレス腱部の熱傷のデブリードマンを行った1例
小林 潤貴伊藤 悠介山本 健登近藤 智月横尾 和久古川 洋志
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2022 年 48 巻 5 号 p. 184-189

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抄録

 アキレス腱部や手背部の深達性Ⅱ度熱傷創のデブリードマンにおいては, 健常組織を極力温存するためにカミソリ型採皮刀などで接線方向に壊死組織を切除するsequential excisionが行われるが, 壊死組織のみを切除するには一定の技術を要する. 今回われわれは, アキレス腱部の熱傷創に対して超音波デブリードマン機器ウルトラキュレット®でデブリードマンを施行し良好な結果を得たため報告する. 症例は73歳, 女性. アキレス腱部の深達性Ⅱ度熱傷創に対してウルトラキュレット®で腱を露出せず少量の出血でデブリードマンを施行することができた. 同部位に移植した自家分層植皮片は全生着し, 術後10ヵ月の時点で拘縮はなく足関節の可動域制限は認めない. ウルトラキュレット® は健常組織を温存しつつ壊死組織を除去できるため, アキレス腱部のように皮膚が薄く腱や骨が露出しうる部位の深達性Ⅱ度熱傷創のデブリードマンに有用と考えた.

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© 2022 一般社団法人 日本熱傷学会
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