2001 年 2 巻 p. 62-69
化学ICと呼ばれるマイクロ流体デバイスでは、大規模な化学プラントに比べて反応器(リアクタ)が小さく、全体の生成量は少なくなるため、効率の良い化学プロセスを行わせるためには、リアクタ数やその配列、流路に設けられたポンプの能力などが与えられた条件の下で、全体の組み合わせや配置を最適化して設計しなければならない。よって本論文では、液体の移動と物質の反応に関するシミュレーション理論を元に、容積の制限があってリアクタ数の上限が決まっている場合、あるいはポンプの能力と反応完了までの制限時間が決められた時に、リアクタ・ポンプの配置を最適化する理論を述べる。さらに最適化プログラムにシミュレーションプログラムを組み込んだGUI画面によるソフトウェア構築したので、その概要をシミュレーション例を通じて解説する。