抄録
統計学を専門としない実験生物学者が適切な統計手法を選択することは、さほど容易ではない。とりわけ多重比較法が問題になるケースでは、多種多様な手法が提案されていることもあり、困難を極めることも少なくない。そのため、より汎用的で検出力に優れる多重比較法の開発は、長らく望まれてきた。今回我々は、標本再抽出法を利用し、公称の有意水準を維持するように実質の有意水準を調節する、エンドユーザーが複雑な選択を必要としなくても統一的に利用が可能な、汎用性の高い多重比較検定アルゴリズムを開発した。この手法を用いれば、エンドユーザーは、Dunnett法のような従来の多様の手法に惑わされることなく、容易に多重比較を行うことができるようになる。計算機シミュレーション及び疫学データへの応用により、今回のアルゴリズムの検出力を従来の幾つかの多重比較法と比較したところ、満足すべき結果を得た。