カタボライト活性化タンパク質 (Catabolite Activator Protein:CAP)は、環状AMP(cAMP)と結合しCAP-cAMP複合体となりDNAの特定部位に結合し、RNAポリメラーゼのDNAへの結合を促進する。その結果、DNAからRNAへの遺伝情報の転写が促進される。我々は、この機構を明らかにする目的で、AMBER力場を用い、CAP-cAMP複合体、CAP単体、CAP-cGMP複合体の安定構造を解析した。その結果を基に、CAPの2量体へのcAMP結合により、CAPの構造(特に2量体間の相対位置)がどのように変化するかを明らかにした。さらに、cAMPの代わりに、cGMPが結合した場合の構造変化を解析し、何故、cAMPのみが、CAPのDNAへの結合能を増大させるのかを検討した。