Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
ISSN-L : 1345-8647
最小二乗型多項式を用いた高速多重極展開法(FMM)の効率的精度向上
野中 尋史関野 秀男
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 7 巻 p. 163-167

詳細
抄録
DNAやタンパク質などの物性を解明するために、分子動力学法をはじめとする分子シミュレーションが現在、盛んに使用されている。しかし、その計算コストは非常に大きく、高速化が求められている。高速多重極展開法(FMM)はシミュレーションの計算時間上、ボトルネックとなっているクーロン力計算の高速近似法として開発された。このFMMの欠点として、近似精度を向上させるためには計算時間の増大が避けられないことが挙げられる。本研究では、FMMの局所展開としてL2誤差ノルムに関する最良近似多項式である最小二乗近似多項式を導入することにより、計算コストの増大なしに精度を上げることが可能であることを示した。
著者関連情報
© 2006 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top