黒酢は,日本をはじめとする東アジアを中心に伝統のある発酵食品であり,様々な健康機能を持っていることが報告されている.本試験では,軽度肥満成人に黒酢含有食品を 12 週間摂取させるとともに毎日 10 分間程度の運動を併用させることで,体脂肪の減少効果およびエネルギー代謝への効果について,プラセボ食品を対照としたダブルブラインド法にて検討した.その結果,黒酢含有食品摂取群では,ヒップ周囲長の減少傾向,消費エネルギーが脂肪メインになるとともに運動時のエネルギー消費量が大きくなる傾向,脂肪量が多いほど脂肪量を減少させる効果が大きいことが示された.また,12 週間の黒酢含有食品の安全性について問題は見られず,安全に摂取できる食品であることが確認された.以上のことから,適切な運動と黒酢含有食品の摂取は,メタボリックシンドロームの改善に寄与することが示唆された.