本研究では,木の内装と間接照明を組み合わせた寝室環境による睡眠の質改善と疲労軽減効果について検討するため,健常成人男性を対象とした医学的試験を実施した. その結果,木の内装と間接照明を組み合わせた寝室環境は直接照明の寝室環境との比較において,セントマリー病院質問票による主観的睡眠評価から睡眠の質を改善すること,アクティブトレーサーによる自律神経機能評価から就寝時に副交感神経優位な状態へスムーズに移行すること,VASによる主観的評価から起床時の眠気および疲労感が軽減すること,およびATMTにおいて作業能率(パフォーマンス)が向上することが示唆された. 木の内装と間接照明の組み合わせは,就寝前に適した副交感神経優位な状態へスムーズに移行させる寝室環境をつくることにより,睡眠の質を改善し疲労を軽減させる機能性を有することが示唆された.