抄録
現在,健康寿命の延伸が重要とされ,セルフメディケーションが推進されている.その推進の一助として保健機能食品の活用が提案されている.しかし,食品が持つ機能性関与成分は多様であるため,科学的根拠を示すために必要な臨床試験における評価系を考察することは重要である.本稿では,保健機能食品の定義や制度変遷,及びその種類や特徴を解説した後で,安全性又は有効性の科学的根拠に関し医薬品との考え方の違いを解説する.今後,透明性のある明確化された基準に基づき保健機能食品に関する制度を成熟させていくことで,消費者の信頼を確保することができ,今後さらなる市場の活性化に繋がると確信する.