抄録
紅麹は血清LDLコレステロール低下作用などを有することから機能性食品の素材として期待されている.発酵食品については製造方法(菌種,菌株,培養方法など)により,有効性および安全性に関わる代謝物の種類や量が大きく変化することが考えられることから,食品素材ごとに安全性を確認しておくことは非常に重要である.本研究では,Monascus pilosus KP1148株を用いて固体培養法によって得られた紅麹ベニエット®3P-D21(紅麹500 mg,モナスシンとして2.0 mg)を配合した食品を4週間摂取した場合における安全性を評価するため,健常成人51名を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した.その結果,本食品の安全性と機能性食品素材としての有用性が示された.