2008 年 5 巻 3 号 p. 233-240
目的:医療現場でのアロマセラピーの有用性,導入可能性,および導入時の課題についての検討を目的とする.
方法:大阪市内の鍼灸・柔道整復専門学校学生 866 名を対象にアンケート用紙を配布し意識調査を行った.
結果:補完代替医療の利用率は 97.1%と高く,その中でのアロマセラピー利用率は 25.8%で,特に女性の利用率が高かった.利用経験者が自覚した利用目的に対する効果は,73.8~89.2%と高く,「メディカルアロマセラピー」に対しても 7 割が興味を示しており,最も期待する治療領域は心身症/精神疾患で 89.4%を占めていた.課題としては,特に有効性の科学的証明やコストダウンが挙げられた.
結論:課題を解決することが出来れば,アロマセラピーが医療現場に浸透していく可能性は高く,患者にとってより満足度の高い医療を提供するための一つの手段と成り得ると考えられた.