日本補完代替医療学会誌
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原著
ガゴメ昆布フコイダンときのこテルペンエキスの安全性評価:ラット薬物代謝酵素への影響
大野木 宏工藤 庸子速水 祥子滝本 裕子鈴木 里芳鈴木 信孝
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2012 年 9 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
近年,食品成分と医薬品との相互作用の問題が注目され始めているが,未だ十分な情報がない.本研究では,ガゴメ昆布フコイダンときのこテルペンエキスの安全性を評価するために,薬物代謝酵素への影響について評価した.SD ラットにガゴメ昆布フコイダンまたはきのこテルペンエキスを蒸留水に懸濁し 2,000 mg/kg/日の用量で 4 日間連続経口投与し,最終投与の翌日に肝臓を摘出し薬物代謝酵素 (CYP2C11, CYP2D, CYP2E1 および CYP3A2) の酵素活性測定と遺伝子発現解析を行った.対照には蒸留水を使用した.その結果,被験物質投与群と対照群との間に体重,肝臓重量,肝臓中の蛋白質量,肝臓中の CYP 量に統計学的な差は認められなかった.また,肝臓の薬物代謝酵素の活性測定ならびに遺伝子発現解析の結果,被験物質投与群と対照群との間に統計学的な差は認められなかった.以上の結果から, ガゴメ昆布フコイダンならびにきのこテルペンエキスはラット肝臓の薬物代謝に影響を及ぼさないことが示された.
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© 2012 日本補完代替医療学会
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