2009 年 33 巻 1 号 p. 1-9
環境管理会計は欧米で手法の開発や実務が先行し,日本では2000年以降に発展してきた。環境管理会計手法の中でも,日本ではドイツで開発されたマテリアルフローコスト会計が発展し,2007年には日本から同手法をISOに国際標準化提案をするに至っている。本稿では,日本におけるマテリアルフローコスト会計を日本型環境管理会計として理解し,その特徴を発祥国ドイツと比較しながら検証する。その結果,日本のマテリアルフローコスト会計はドイツよりも簡易型であるがゆえに普及したことを示し,そのことに起因する今後の課題を指摘する。