本研究は,ファミリー企業におけるコスト・ビヘイビアの非対称性の程度が非ファミリー企業と異なるかどうかについて検証する。社会情緒的資産を追求するファミリー企業は,非ファミリー企業とは異なる意思決定を行うことが指摘されている。分析の結果,日本のファミリー企業は,非ファミリー企業よりもコストの下方硬直性の程度が小さいことが明らかになった。
本研究は,前田建設工業の原価開示方式の事例を記述し,サプライチェーンの持続可能性向上における原価開示の役割や課題を検討する。本研究の結果,原価開示方式が機会主義的行動の抑制,信頼の醸成,リスク負担の適正化,リスクの迅速な把握と対応などの効果を通じて,持続可能性の向上に寄与することが明らかになった。
本研究では管理会計導入によるコミットメントへの影響を主に医療機関と会計事務所を対象に検討した。医療機関では管理会計が専門職論理と整合すればプロフェッショナルおよび組織コミットメントを強化し,専門職論理と対立すると組織コミットメントを後退させた。会計事務所では実証研究が乏しいことが明らかとなった。
本研究は,売上高変動の大きさおよび連続性に着目し,製造業のコスト・ビヘイビアの非対称性について分析した。売上高が大幅に連続して減少する場合,販売費及び一般管理費(販管費)と売上原価の両方で反下方硬直性が観察される一方,売上高が連続して減少するがその減少幅が小さい場合には,販管費についてのみ反下方硬直性が観察された。これは費目ごとに調整行動が異なることを示唆している。
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