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Journal of Computer Chemistry, Japan
Vol. 12 (2013) No. 1 宮本明先生退職記念特集号 p. A3-A13

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http://doi.org/10.2477/jccj.2012-0022

解説

第一原理分子動力学法とTight-Binding量子分子動力学法を用いて,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の低摩擦メカニズムについて検討を行った.荷重1 GPaの条件では,水素終端されたDLCは,水素―水素反発によって低摩擦が実現されること,また摩擦界面でH2分子の生成反応が起こることで,さらに摩擦係数が下がることを明らかにした.しかし,7 GPaの高荷重下では,摩擦界面においてC–C結合の生成反応が起こることで,摩擦係数が上昇する問題点があることを指摘した.ここで,機械工学の教科書には「摩擦係数は荷重に依存しない」と記述されているが,上記の結果は「摩擦界面で化学反応が起こる場合には,摩擦係数は荷重に依存する」ことを示しており,従来の機械工学の教科書を書き換える成果である.さらに,7 GPaの高荷重下において摩擦係数が上昇する問題点は,DLCの表面をOH終端することによって解決できること,またDLCのOH終端はメタノール環境下の摩擦化学反応を活用することで実現できることを提言した.

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