Journal of Computer Chemistry, Japan
Online ISSN : 1347-3824
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特集:「生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現のコンピュータ化学」
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
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巻頭言
総合論文
  • 山口 拓実, 渡邉 東紀男, 矢木 宏和, 加藤 晃一
    17 巻 (2018) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2018/03/23
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    糖鎖は複雑な分岐構造と高い内部運動の自由度をもち,その立体構造は水中で絶えず揺動している.したがって,糖鎖の生物機能発現に関する分子科学的基盤を正しく理解するためには,立体構造を動態として描象することが重要である.核磁気共鳴(NMR)法と分子シミュレーションを組み合わせた動的構造解析法の確立により,糖鎖のコンフォメーションをその揺らぎを含めて定量的に理解することが可能となってきた.常磁性NMR法とレプリカ交換分子動力学計算法を用いて,タンパク質の品質管理に関わる一連のオリゴ糖鎖のコンフォメーションを明らかにした.さらに,配座空間探査に基づき,糖鎖とそれを認識するタンパク質との結合様式を解析することで,静的な構造解析だけでは捉えることができない動的な相互作用機構の理解を進めることができた.

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  • 根木 秀佳, 吉田 紀生, 廣田 俊, 東 雅大
    17 巻 (2018) 1 号 p. 8-13
    公開日: 2018/03/23
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    シトクロムcは,ミトコンドリア内の呼吸に関わる反応において電子を伝達する役割を担うヘムタンパク質である.シトクロムcは,互いのC末端ヘリックスを交換するドメインスワッピングにより多量体を形成し,電子伝達の機能を失うことが知られているが,多量体形成のメカニズムは未だはっきりしていない.この多量体形成メカニズムの解明を目指して,我々は分子動力学シミュレーションと液体の積分方程式理論を用いてシトクロムcの単量体と二量体の熱力学安定性の解析を行ってきた.本稿では,これまでの研究成果について紹介する.

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  • 山本 量一, Molina John J., Schneider Simon K.
    17 巻 (2018) 1 号 p. 14-19
    公開日: 2018/03/23
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    アクティブマターやバイオマターでは,要素自体の自発運動や,それらの間の局所的相互作用からは容易に想像できない集団運動がしばしば発生する.生体内で重要な役割を果たしている細胞の集団運動もその顕著な例であるが,個々の細胞が周囲の細胞と局所的に相互作用し,結果として大規模な共同運動に発展するメカニズムは解明されていない.このような自己組織化の問題は生物学•医学•物理学など様々な分野で研究者の興味をかき立てており,例えば物理学の分野では,それぞれの系で見られる複雑な運動を再現できる簡単なモデルの構築に多くの研究者が取り組んでいる.著者らは,基板上で遊走•増殖する細胞をバネでつながった2つの円盤として力学的に表現することで,実際の細胞集団が示す種々の複雑な集団運動を再現できる簡単な細胞モデルの構築を試みた.生体組織内部で見られる細胞の複雑な集団運動が,実は非常に単純なメカニズムだけで起こり得ることを示す一例として興味深い.

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総説
研究論文
  • 上久保 裕生
    17 巻 (2018) 1 号 p. 57-64
    公開日: 2018/03/26
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     細胞内で生じる生命現象は様々な蛋白質が互いに協力することによって実現されている.従って,生命現象を理解するためには,複数の蛋白質を含む溶液がどのような振る舞いを示すのかを分子科学的に理解する必要がある.しかしながら,原則,従来の構造解析手法は単分散状態を対象とするものであり,複数の蛋白質が共存する多成分平衡状態の解析は困難であった.そこで,我々は将来的な多成分平衡状態の解析を目的として,マイクロ流路型自動サンプリングシステムの開発を進めてきた.本稿では,我々が開発してきた複数の溶液の混合比を連続的に変化させることが可能なマイクロ流路デバイスの詳細と,応用例としてX線溶液散乱測定と組み合わせた連続滴定X線溶液散乱測定による2成分系の蛋白質-蛋白質相互作用解析の結果を紹介する.

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  • 池谷 鉄兵, 伊藤 隆
    17 巻 (2018) 1 号 p. 65-75
    公開日: 2018/03/26
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    核磁気共鳴分光法 (Nuclear Magnetic Resonance; NMR) は,溶液状態や生きた細胞内のようなより生理的条件に近い状態の生体分子の3次元立体構造やダイナミクスを原子分解能で解析できる現在唯一のツールである.一方で,NMR測定により得られる直接的なデータは,複数のピーク信号からなるスペクトルであることから,ここから分子の構造情報を正確に抽出し,分子の3次元構造を NMR立体構造計算によって再構成する必要がある.特に不安定分子や不均一系の測定データは,感度が低く,多くのノイズを含むため,構造情報の抽出・解析が困難となる.従来の立体構造計算法では,こうしたスパースデータから正確な構造決定を行うことは難しかった.そこで我々は,Riepingらによって提案されたベイズ推定を用いた新しい立体構造計算手法を応用し,この手法に複数の改良を加えた新規手法を開発,NMR立体構造計算ソフトウェアCYANAに実装した.新しく開発した手法では,NOEクロスピークの自動解析とAmberの物理ポテンシャルを用いた構造サンプリングにより,構造アンサンブルからなる事前確率分布を得ることができる.サンプリング手法には,ギブスサンプラーによるマルコフ連鎖モンテカルロ法 (MCMC)と分子動力学計算を組み合わせたハイブリッドモンテカルロを採用した.さらに,タンパク質の構造座標変数は膨大で関数空間が極めて広いため,レプリカ交換MCと組み合わせることで計算の効率化を図った.本手法の性能は,既知構造から作成したシミュレーションデータと,実データをランダムに間引いて情報量を減らしたデータ,それぞれを作成し,従来法と比較することで検証した.検証の結果,本手法は従来法と比較して,情報量を大きく減らしたスパースデータに対しても十分に正確な構造決定ができることを示した.

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  • Hiroaki NISHIZAWA, Hisashi OKUMURA
    17 巻 (2018) 1 号 p. 76-79
    公開日: 2018/03/26
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    Metal ions such as those of copper and zinc are considered to accelerate initial formation of amyloid fibril of amyloid-β (Aβ) peptides. In this study, the role of a zinc ion for Aβ peptide aggregation was investigated by the classical molecular dynamics (MD) simulations. The MD results indicated that the negatively-charged residues gained large stabilization in the existence of a zinc ion. On the other hand, histidine and tyrosine which were reported as making a bond with a metal ion were slightly stabled. Therefore, a zinc ion is thought of as combining with histidine or tyrosine after being attracted by negatively-charged residues, because these residues exist near negatively-charged residues. These results indicate that the metal-containing system needs to be treated by quantum-mechanical techniques.

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