2019 年 18 巻 4 号 p. 169-175
分子動力学プログラムLAMMPSは,分散並列処理により高い効率で実装されており,スーパーコンピュータ「京」でも,大規模なノードを使ってもよくスケールし,高性能を発揮している.LAMMPSの さらなる高速化を目指し,Mod -FixLan機能で利用されている乱数ルーチンのSingle Instruction Multi Data (SIMD/ベクトル) 化及びOpenMPでのスレッド並列化によるさらなる高速化の実現を試みた.乱数生成は逐次処理のアルゴリズムが基本でありSIMD化及びOpenMPによる並列化の難しい部分の高速化を新たに実装した.特に乱数ルーチンの実装の改良によって,全体で46%程度の性能向上が観測された.まだまだ,LAMMPSには高速化の余地がある.