Journal of Computer Chemistry, Japan
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研究論文
擬似水素としてのミュオンと第一原理計算の組み合わせによる水素の電子状態研究
平石 雅俊小嶋 健児岡部 博孝幸田 章宏門野 良典井手 啓介松石 聡雲見 日出也神谷 利夫細野 秀雄
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2020 年 19 巻 3 号 p. 106-114

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抄録

水素の軽い同位体である素粒子ミュオン (Mu) を用いて透明酸化物半導体InGaZnO4 (IGZO) 中における水素の電子状態を調べた.ミュオンスピン回転法で観測された久保-鳥谷部関数における緩和率Δと,第一原理計算による水素のシミュレーションの組み合わせから,結晶IGZOやアモルファスの薄膜a-IGZO中でのミュオンはZn-Oの結合中心位置で安定化することを明らかにした.ZnOとの類推から,対応する水素はドナーとして働くことを示唆している.高濃度に水素チャージした薄膜a-IGZOでは,スペクトル形状の変化から,一部のミュオンが酸素欠損位置でMuHとして存在していることを示唆する結果を得た.

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© 2020 日本コンピュータ化学会
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