比較臨床心理学研究
Online ISSN : 2760-2575
⽇本⼈学⽣および中国⼈留学⽣におけるパーソナリティ傾向 と睡眠困難との関連
周 婷婷望月 宇緒方 二郎
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2026 年 2 巻 1 号 p. 19-29

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抄録
本研究は,大学生の睡眠困難に関連する要因として,回避性,依存性,強迫性,自己愛性,境界性の5つのパーソナリティ傾向に着目し,日本人学生群と中国人留学生群における関連の差異を検討した。日本人大学生113名,中国人留学生41名を対象に質問紙調査を実施し,睡眠困難はPSQI-Jの睡眠困難関連項目を用いて測定した。各尺度の内的一貫性を確認した上で,パーソナリティ傾向間の相関分析および睡眠困難を従属変数とする重回帰分析を行った。その結果,日本人学生群では,いずれのパーソナリティ傾向も睡眠困難との有意な関連を示さなかった。一方,中国人留学生群では,回帰モデル全体は有意ではなかったものの,モデル内において境界性傾向が睡眠困難に対して有意な正の偏回帰係数を示した。この結果は探索的知見として位置づけられる。また,中国人留学生群では,パーソナリティ傾向間の相関が全体として高い傾向がみられた。以上より,睡眠困難に関連するパーソナリティ傾向の現れ方は,日本人学生群と中国人留学生群で異なる可能性が示された。ただし,中国人留学生群のサンプルサイズには制約があり,結果の安定性には限界があるため,今後は生活習慣,ストレス,社会的支援,異文化適応などの要因を含めた検討が必要である。
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© 2026 比較臨床心理学会
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