主催: 電気関係学会九州支部連合会
神経障害は最も一般的な糖尿病合併症の一つであり,末梢の代謝異常によって神経細胞が傷ついたり,消失したりして生じるものと考えられる。神経障害の客観的な判定には通常,神経伝導検査と呼ばれる電位計測が用いられる。しかしごく一部の神経線維の障害しか反映されないためさらに高精度な検査技術が求められている。そこで本研究では鋭敏な磁気センサを用いた末梢神経磁図による糖尿病性神経障害の判別可能性について,糖尿病で傷ついた神経から発生する磁界を計算機上で発生させ検討した。磁気センサは皮膚に平行な磁界成分を検出するものとした。その結果,電位と磁界の両方の計測を行えば,糖尿病性神経障害を判別できると考えられた。