抄録
我々は、パソコンと液晶ペンタブレットを用いて上肢の運動機能を定量的に評価できる医療支援システムの開発を行っている。今回、視標追跡運動である等角速度描渦運動課題を作成し、健常老人(70例)、パーキンソン病患者(48例)、脊髄小脳変性症患者(22例)に課すことで上肢運動機能の定量的評価を試みた。この測定データを14個のパラメータで解析した結果、複数のパラメータを考慮することでパーキンソン病患者を93.8%、単独のパラメータで脊髄小脳変性症患者を100%識別することができた。また、パーキンソン病患者群では動作緩徐の症状を、脊髄小脳変性症患者群では加速度異常、推尺異常の症状を読み取ることができた。