抄録
現在、鋳鉄内の残留オーステナイト量の測定にはX線による検査法が主流である。しかしこの手法は測定装置が大型になり、測定時間もかかる。鋳鉄内に残留オーステナイトが含まれると、鋳鉄に応力が加わった場合マルテンサイト変態を起こし、ひび割れなどの破損につながる場合がある。そのため鋳鉄内の熱処理後の残留オーステナイト量を管理することは極めて重要である。そこで本研究では電磁現象を利用して鋳鉄内に磁束密度や渦電流を発生させ、これらの変化から、残留オーステナイト量を非破壊的に評価する手法について検討を行った。