抄録
従来のスイッチトキャパシタ(SC)電源は,純抵抗の負荷または容量性の負荷(例えば,エレクトロルミネセンス)については解析や実験がなされていた.しかし,従来のSC電源では,スイッチがオフになる瞬間が存在するため誘導性負荷に対してはインパルス状の電圧が発生するので,これまで解析や実験がなされていなかった.本稿では誘導性負荷にも対応できる新しいDC-ACコンバータを提案する.提案回路はプッシュプル形の直並列切換えSC電源を基本とする新しい回路で,Hspiceシミュレーションによって,25Vの直流入力電圧から100V/60Hzの正弦波出力電圧が得られ,誘導性負荷の場合には直流入力電源側に電流が回生されることを確かめた.