抄録
本稿では,プライバシーに配慮した車車間通信における位置情報サービス(LBS)について議論する.ユーザの位置を用いて周辺の情報を得るLBSを利用する際にはプライバシーに配慮する必要がある.そこで,ユーザのプライバシーの2つの側面に焦点を当てる.1つは,サービスを利用しようとするユーザの位置情報であり,もう1つは,ユーザがこれから向かう目的地の位置情報である.この2つの側面のプライバシーを保護するために,従来のクライアントサーバモデルのLBSシステムで利用されているk-匿名性を用いる.k-匿名性を用いることで,ユーザが望む程度でプライバシーを高めてLBSが利用できることを示す.