抄録
スポット溶接機を用いて二枚の鋼板を溶接すると、溶接部の等価抵抗は、溶接電流の大きさ、溶接時間、電極の圧力などによって、数倍程度変化する場合がある。さらに、要求される電流は10kAを超える場合があり、溶接電流の制御は難しかった。
筆者らは、溶接電流がその目標値と一致するようにインバータの周波数を制御する方式を提案した。提案法を実現するためには、kAオーダに達するインバータ電流を高精度で検出しなければならない。これに対し、筆者らは最も簡単な電流検出法であるRI 降下法に着目した無誘導型電流センサの構成法について検討した。センサを試作した結果、誘導成分が相殺されることを確認したのでその概要を報告する。