抄録
これまでに我々は水中ストリーマ放電によりカーボンナノチューブ(CNT)を水溶化することに成功し、水溶化したCNTが負に帯電していることを明らかにしてきた。本研究では、この水溶化したCNTを用いてCNT - ポリビニルアルコール(PVA)複合フィルムの作成に取り組んだ。CNTが負に帯電していることから、直流電界を印可することでCNTにフィルム表面方向の電気泳動力を与えた。これにより、フィルム表面にCNTが多く現れることを走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。この結果より、電界によるCNT操作を用いたCNT配向性の向上やフィルム抵抗率の低下が期待できる。