抄録
固体高分子形燃料電池は小型で高出力密度という特徴を持つため分散型電源や移動用電源として応用が期待されている。固体高分子形燃料電池の理論電圧は1.23Vであるが、実際発電すると様々な損失により電圧降下が生じる。損失の一つに、触媒の活性が低いことで生じる活性化過電圧と呼ばれるものがあるが、使用する白金触媒の有効反応表面積を増加させることで低減させることができる。本研究では、高分子膜上に触媒層を形成し、異なる2種類のガス拡散層を用いた2枚のMEAを作製し、活性化過電圧や有効反応表面積の変化からMEA作製技術の検討を行った。その結果、ガス拡散層の違いによる活性化過電圧や有効反応表面積の増減を確認した。