抄録
近年,情報機器の高機能化・小型化が要求されるようになり,基板の配線は高密度になっている.高密度化が進む中,信号配線間のクロストーク低減が重要な課題となっている.同方向伝送において問題となる遠端クロストークは,発生原因である2つの伝搬モードの立ち上がり・立下り時間を緩やかにすることで低減することができ,信号のスルーレートを小さくすることで低減できる.本研究では,2入力のFG-MOSトランジスタを用いて,片方のゲートにバイアス電圧を印加することによりスルーレートを可変させる出力回路について検討している.今回の報告では,出力回路の妥当性を貫通電流の観点からシミュレーションにより評価を行った.