広域同期位相計測に基づくロバスト性を考慮したPSS設計

抄録

系統間動揺の抑制には電力系統安定化装置(PSS)が有効であることが知られており、その各定数を適切に設計することで効果的に電力系統を安定化できる。本研究ではまず、PSSの設計をより容易に行うため、位相計測で得られる位相情報に基づいて系統状態を反映する電力動揺モデルを構成する。また、構成した低次系統モデル上で、H_∞制御理論に基づきPSS設計を行うことでモデル化する際の誤差を補償し、ロバスト安定性を考慮したPSSが設計できると考えられる。そこで、本研究では長周期動揺成分に着目した低次系統モデルを構成し、一機無限大母線系統モデルを対象として、H_∞制御理論を適用したPSSの設計手法の有効性を検討する。