抄録
水車発電機固定子巻線の絶縁は、長期にわたる運転に伴い、高電圧、熱、電磁力による振動や、起動・停止に伴うヒートサイクルなどにより劣化する。一方、規制緩和や管理費削減のため、定期的に実施している非破壊絶縁試験の間隔を広げることが検討されている。そこで、著者らは2003年から超音波センサを用いて実機の運転中水車発電機固定子巻線の絶縁劣化状態を的確に把握・評価するための研究を行っている。今回、設置されてから44年経過した巻線更新を控えた水車発電機固定子巻線に対して、著者らが開発した絶縁診断システムを用いて、巻線の部分放電発生位置評定実験を行い、過去のデータと比較検討を行った結果について報告する。