抄録
半導体製造技術の進歩の結果、DC-DCコンバータのディジタル制御が実用的なものとなっている。DC-DCコンバータのディジタル制御においては、一般にディジタルPWM制御が用いられるが、実用的な出力精度を得るには高クロックが必要であるという難点がある。これに対しΔΣ変調制御では比較的低いクロックで高い出力精度が期待でき、またマルチビット化することにより出力精度の指標であるENOBが理論上改善できることが分かっている。本稿ではマルチビットΔΣ変調制御を採用した降圧コンバータについて、理論と実験の両面からコンバータ出力におけるENOBの定量的評価を行う。またマルチビット化の有効性についても検討を加える。