抄録
集積回路を構成するMOSFETデバイスの寸法が数10ナノメートルに入り、不純物原子の位置や個数、トラップ電位など各種ばらつき要因となりうるパラメータのランダム性により、例えば閾値電圧Vthのばらつき分布の変調幅は、単なるガウス分布ではなく、ガンマ分布に従うことが報告されている。一方で、ガウス分布は、複数のばらつき要因を複合して考慮する場合に必要な畳み込み処理も複雑な数値計算の必要が無く比較的簡単に取り扱うことが可能である。本論文ではガンマ分布などの非ガウス分布を、ガウス分布で近似する手法を、畳み込み処理結果の誤差値への影響を考慮して比較検討した。さらに、その比較結果に基づき、新しい手法を提案する。