抄録
我々は多様な動作が可能な5指ロボットハンドを活用し,判別された利用者の筋動作に割り振られたハンド動作を行うようにすることで,柔軟な対応能力を持つ筋電義手の開発を目指している.従来の研究では,健常者から取得した2チャネルの表面筋電信号をウェーブレット解析した結果に基づき,随意的に行うことができる4種の動作の判別を可能とする手法を提案した.しかしながら,現実に前腕を切断した人の場合でも同等の判別能力を得ることができるかは明確ではなかった.そこで,前腕を切断し筋電義手を利用している被験者から表面筋電データを収集し,我々が提案する手法の適用を試みた.本稿ではその結果について述べる.