味覚センサの渋味物質に対する選択性向上に関する研究

抄録

本研究は味覚センサの渋味物質に対する選択性向上を目的として、渋味物質に対する味覚センサ応答と脂質高分子膜への吸着量の関係を明らかにするものである。味覚センサを用いた渋味の評価には、味物質が脂質高分子膜に吸着することによる膜電位変化 (CPA値)を用いている。本研究では測定物質として、緑茶等に含まれる代表的な渋味物質であるタンニン酸を用いた。タンニン酸の脂質高分子膜への吸着量の測定には分光光度計を使用した。脂質高分子膜へのタンニン酸の吸着量が増加するとCPA値も増加した。本研究によって、渋味物質の味覚センサ応答と吸着量の関係が明らかとなり、渋味物質に対する更なる味覚センサの高機能化が期待できる。