大日本窯業協會雑誌
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琺瑯用乳濁劑の研究 (第一報)
内田 十喜治
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1922 年 30 巻 357 号 p. 189-201

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抄録
從來本邦琺瑯業に乳濁劑として使用せるアンチモニーは價格低廉、 乳濁作用顯著なるも衞生上の疑問あるを以て將來此れが改善を必要とすべし、 依つて安價、 良質なる代用品の研究をなせる結果チタニウム、 ヂルコニウム、 錫、 セリウム、 アンチモニー等の化合物、 即ち第五及六屬に屬し尚第四乃至八列に列する金屬元素の化合物なる事、 一般に有望視さるゝ亞鉛、 苦土、 礬土等の化合物は乳濁作用少なき事、 苦土及び礬土等の金屬並に珪酸燐酸の化合物は琺瑯質の光澤を損傷する傾向ある事、 金屬元素は鹽基性としてより酸性即ち酸根を形成する場合乳濁作用を増進する傾向ある事、 殊に第五屬即ちアンチモニー、 砒素等に於て其作用一層顯著なる事、 同一元素を同一割合に用うるも製法により乳濁作用に著しき優劣ある事、 但し最有効なる製法の如何なるものなりやは未だ系統的に明かにされざるも、 一條件として高熱に處理する時は乳濁作用増進の事實を認めたる事等を決論せり、
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© The Ceramic Society of Japan
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