大日本窯業協會雑誌
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耐火煉瓦の熱膨脹に就て
近藤 清治萬波 章太郎
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1931 年 39 巻 465 号 p. 576-581

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抄録

1. 著者の考案せる電爐とComparatorを用ひて本邦産耐火煉瓦の熱膨脹を測定したり。
2. シヤモツト煉瓦6種の牧縮開始温度は1153-1285℃にして室温、牧縮開始温度間の平均線膨脹係數は、0.0546-0.0573なり。蝋石煉瓦2種の收縮開始温度は1240°-及1090°にして平均線膨脹係數は0.0551及0.0566なり。珪石煉瓦1種2個の1388°又は1401°に至る平均線膨脹係數は0.05104又は0.05107なり。
3. 著者の考案せる炭素管装置により本邦産耐火煉瓦の弱荷重下に於ける熱膨脹を比較したり。
4. シヤモツト煉瓦2種の收縮開始温度は1188°及1228°、蝋石煉瓦1種は1198°、珪石煉瓦2種の内1種は1504°なり。
5. 是等2種の測定法は更に實驗を重ねて一層精密なる結果を得らるべき見込あり。殊に炭素管法は最高温度高く、装置簡便なるが故に煉瓦の對熱性質の工業的試驗法として考究の價値あるが如し。

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© The Ceramic Society of Japan
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