大日本窯業協會雑誌
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蝋石質不燒煉瓦
近藤 清治宮川 愛太郎
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1936 年 44 巻 518 号 p. 97-103

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抄録

1 蝋石質不燒煉瓦の製造法に就て實驗した。多數の豫備實驗の後蝋石80と蝋石粘土20及蝋石93と木節粘土7の配合物に膠, カゼイン, 水ガラス等の結合劑の適量を添加して約100kg/cm2又は以上の耐壓力を有し, 耐火度は殆ど主原料と變らず, 能く急變に耐え而も加熱に依て著しく收縮せざる不燒煉瓦を得た。
2 乾燥品の耐壓力を約100kg/cm2又は以上にするには蝋石及粘土の重量100に對し, 膠は3-4以上, カゼインは2-3以上, 水ガラスは5以上, 又は是等の適量混合物の添加を必要とした。
3 乾燥品を高温度に急熱した後の耐壓力は案外高かつた。然るに800℃, 850℃の如き低温度に急熱するか或は520℃の如き低温度まで徐熱したものの耐壓力は甚だ低かつた。但し膠の凝固劑として重クロム酸カリを用ゐた場合には稍強く, 水ガラス2以上を添加したものは100kg/cm2以上の耐壓力を示した。
終りに臨み不燒蝋石煉瓦の製造に着想し且本研究の原料を寄贈せられた牧位眞治氏に對して敬意と謝意とを表する次第である。

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© The Ceramic Society of Japan
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