大日本窯業協會雑誌
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窯業的方法論に立脚したる含チタン磁性酸化鐵電極の研究 (第6報)
鈴木 信一鵜飼 大三
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1943 年 51 巻 606 号 p. 333-337

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抄録
著者等は既に酸化鐵電極の製造に當り其の燒成状件が燒結に及ぼす影響の大なる事を述べた.
即ちカーボン. グラハイトを還元劑として使用せる燒成法 (窯協, 昭16, 49, 〔578,〕〔584〕, (昭17, 50, 〔593〕) に於てはFe2O3, Fe3O4はFeOへの還元が進行し, 電解耐蝕度は甚だ低い結果を示し表面酸化處理を成したものに於てもNaOH電解實驗にて15mg-17mg/1Ahr/dm2の腐蝕量 (窯協, 昭16, 49, 〔587〕) を示した. 又腐蝕量は其の組成及成形法に依るよりも燒成條件に依り甚しく影響され, 而も還元劑は燒成中に酸化せられる爲め還元の程度を調節するに充分なる方法を見出す事は困難であつた.
本報に於ては燒成時に前述の如き強性還元劑を用ひずtown gasと空氣に依り構成せられた雰圍氣の變化に於て其の還元程度を調節し燒結條件を求めた. 其の結果鹽素酸曹達電解條件に於て1.0mg-3.0mg/dm2/1Ahrの腐蝕量の電極を得た. 燒結の條件に就いては未だ幾多の研究餘地あり今後一層の工夫を要するものと考へられる.
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© The Ceramic Society of Japan
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